· 

外国人雇用の流れ

外国の方を雇用する場合には、日本人雇用とやや異なった点に目を配る必要があります。今回は外国人雇用に関して、募集から普段はあまり馴染みのないビザ申請まで解説したいと思います。

 

①募集活動

募集方法と言っても様々な手段が挙げられます。

ハローワーク、求人誌、人材紹介会社、自社サイト などなど…

募集時には「コスト」「募集人数」「求める人材の資質」などを重視しますが、

意外と見落とされやすいのは、以下3点であると思います。

 

ア)労働条件が日本人と異なっていないか

労働条件については外国籍であることを理由に、「給料」「勤務時間」などに差別的な取り扱いをしてはいけません。

そのような取り扱いは法令に違反していることはもちろんのこと、国籍による差別をしている事実を知った従業員からの社内不信に繋がりかねません。

イ)外国人が読みやすいような求人情報になっているか

外国人の中でも個々人によって大きく日本語レベルは異なります。

日本語ネイティブレベルの外国人を求めている場合は例外として、留学生として日本に来ているケースや、滞在歴がまだ浅い外国人には平易な日本語を使うことが肝要です。

「やさしい日本語」科研 さんでは、外国人が読みやすい日本語での作文について様々なサービスを提供されています。

ウ)悪質な人材業者から、人材を受け入れていないか

人材紹介を行っている会社を利用して募集している企業もあるかと思いますが、紹介会社の中には「職業紹介免許」や「派遣業免許」を得ていない悪質な業者もあります。また、本来働いてはいけない外国人を紹介する業者もあります。

 

 

②選考

応募があったときには選考に移ります。

選考の際に注意いただきたい点があります。

 

ア)在留カードは必ず原本を確認すること

外国人は一部を除き、在留カードを持っています。

在留カードには「氏名」「在留資格(ビザ)」「在留期限(日本に居られる期限)」などが記載されています。

面接時には在留カードの原本 を確認します。

過去には他人の在留カード写真をあたかも自分の在留カードのように編集して、紙に印刷したものを利用していた事例があります。

 

在留カード表面の「就労制限の有無欄」を確認し、そもそも応募者が働けるのか確認をします。それぞれビザ毎に「就労可能なもの」「認められた範囲内で就労可能なもの」「就労不可のもの」と細かく分けられています。

 

また、アルバイトの場合「留学ビザ」「家族滞在ビザ」の外国人から応募されることが多いと思いますが、これらのビザは本来就労ができません。

しかし、「資格外活動許可」というものを貰っている場合、週に28時間といった

一定時間の中で働くことが認められます。在留カード裏面には「在留資格活動許可欄」がありますので、そこで確認することができます。

 

イ)在留資格(ビザ)で認められた範囲を超えて働くことにならないか

就労制限の有無について、「認められた範囲内で就労可能なビザ」があると書きました。例えば就労ビザである「技術・人文知識・国際業務」では飲食店での調理やコンビニでのレジ打ち・品出しなどは認められず、そのような仕事をさせた場合には「不法就労助長罪」という罪に問われる可能性があります。

 

 自ら判断が難しい場合には、外国人在留支援センターや最寄りの入国管理局に問い合わせすることをおすすめします。

 また、本来働けないが資格外活動許可を貰って、一定時間の中で働ける外国人についても、決められた時間を超えて働かせた場合「不法就労助長罪」に問われる可能性があります。

よくよく、応募者の方に確認を取られることをおすすめ致します。

③採用

選考の結果、採用を決めた場合には採用内定を通知することになると思います。

応募者の内定承諾後に入社する流れとなりますが、その際にも以下に注意頂きたいです。

 

ア)届出を行う

外国人を雇い入れたときには「外国人雇用状況の届出」をハローワークに行う必要が法律で義務付けられています。届出をしない場合には30万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

イ)研修は細かいことから行う

日本での滞在歴が短い方は特に、日本での“働き方”について理解しきれてないことが想定されます。「時間を守ることの重要性」や「分からないことをそのままにしない」といった基本的なところから研修を行います。

 

④ビザ申請

雇い入れに当たって、外国人が就労可能なビザを持っていればそのまま勤めていただいても宜しいですが、就労ビザに切り替える必要がある場合には、出入国在留管理局に対して、ビザの変更申請(在留資格変更許可申請)を行う必要があります。

 

ア)安易に考えてビザ申請を行わないこと

就労ビザも様々な種類があり、その中から適したビザを選択して変更申請を行います。

申請を行ったビザでは適していない仕事をさせるとして、申請をした場合は不許可に繋がりかねません。また、一度不許可になった案件について、再申請を行う場合はやや厳しい視点で審査が行われることが通例です。

イ)結果が出るまで働けないこと

ビザの変更申請では審査に当たって、ある程度時間を要します。

一般的な就労ビザ「技術・国際業務・国際業務」では審査に大体1か月~3か月(3か月以上かかることも…)かかります。

働けないビザから就労ビザに切り替える際、許可が下りるまでは働くことができませんので、十分にご注意頂きたく思います。

結果、無事就労ビザが下りれば安心してお勤めいただけることになります。

 

募集からビザ申請までの流れまで解説してまいりましたが、ビザについては、中々理解が進まなかったと思われます。

 


 当法人では就労ビザのご相談はもちろんのこと、

安心した外国人雇用をサポートする人材紹介サービスも行っております。

 

雇用からビザ申請まで一貫したサポートを専門家が行います。

お気軽にお問い合わせ頂けますと幸いです。